なぜパラグライダーは空中に浮かんでいることができるのでしょうか。それは、鳥が空を飛べるのと同じことです。パラグライダーも翼を持っているからです。
鳥の翼の断面というのは、水滴を横にしたように、前面がふくらみ、後ろが尖った形をしています。これが翼型というもので、この形が飛行には欠かせないものです。翼型は前方から風を受けると、上向きの力、つまり揚力を生じる性質があります。パラグライダーは、地面に広げただけでは単なる紐と布にしか見えませんが、空中に浮かんだ状態でキャノピーを縦に切ると、断面はやはり翼型をしているのです。前から来る風の中に翼を置くと、その風は翼の上下二つに分かれます。このとき、翼の上面はカーブがきつく、下面は緩いので、上を通過する空気の速度が下の気流より速くなり、従って速い気流の上面付近では気圧が低く、下面ではそれが相対的に高くなるので、ここで上と下との気圧差が生じる。これが、気圧の高い下面から低い上面に向かって力を発生させる。この力が揚力です。
パラグライダーはこの揚力を使って空中に浮かんでいることができます。
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